備前焼 陶工作家 松本頼明 紹介



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1952年岡山県備前市に生まれる
1978年早稲田大学理工学部資源工学科卒業
1979年本田技術研究所開発部デザイン課を経て、伝鋭工芸士・松本康人に師事
1993年備前市蕃山に、登り窯を築き、独立
1994年東京上野・COSIMAアートギャラリーにて第一回作陶展
1995年下関市・長府庭園の型絵展に協賛
第三文明展入選
岡山県美術展覧会入選
東京上野・COSIMAアートギャラリーにて第二回作陶展
1996年川西阪急にて第一回陶芸展
岡山県美術展覧金入選
東京日比谷・ギャラリー巴堂にて第一回陶芸展
1997年岐阜市・光芳堂にて第一回陶芸展
川西阪急にて第二回陶芸展
東京新宿・ギャラリー巴堂にて第二回陶芸展
焼き締め陶公募展(トリエンナーレ)入選
1998年川西阪急にて第三回陶芸展
倉敷市エル・パティオクラシキにて登り窯二人展
岡山県美術展覧会入選
日本伝統陶芸展入選
東京新宿・ギャラリー巴堂にて第三回陶芸展
青森市・松木屋美術画廊にて第一回陶芸展
1999年川西阪急にて第四回陶芸展
朝日陶芸展入選
岡山県美術展覧会入選
長三賞陶芸展(ビエンナーレ)入選
酒の器創作展 蔵元賞
東京新宿・ギャラリー巴堂にて第四回陶芸展
2000年川西阪急にて第五回陶芸展
郡山市・ギャラリー観にて陶芸展
岡山県美術展覧会入選
陶芸財団展 文化団体連合会賞
酒の器展(金津創作の森) ニ点入選
青森市・松木屋美術画廊にて第二回陶芸展
東京新宿・ギャラリー巴堂にて第五回陶芸展
2001年川西阪急にて第六回陶芸展
岐阜市・光芳堂にて第二回陶芸展
朝日陶芸展入選
東京銀座・ギャラリー江にて第一回陶芸展
名古屋市・ギャラリー安里にて陶芸展
倉敷市・中央画廊にて第一回陶芸展
2002年川西阪急にて第七回陶芸展
朝日陶芸展 奨励賞
日本伝統工芸展入選
東京銀座・ギャラリー江にて第二回陶芸展
倉敷市・中央画廊にて第二回陶芸展
2003年川西阪急にて第八回陶芸展
日本伝統工芸展入選
東京銀座・ギャラリー江にて第三回陶芸展
倉敷市・中央画廊にて第三回陶芸展
2004年川西阪急にて第九回陶芸展
岐阜市・光芳堂にて第三回陶芸展
日本伝統陶芸展入選
下関市・下関大丸美術画廊にて陶芸展
東京銀座・ギャラリー江にて第四回陶芸展
倉敷市・中央画廊にて第四回陶芸展
2005年現代茶陶展 TOKI織部金賞
日本伝統工芸中国支部展入選
川西阪急にて第十回陶芸展
東京銀座・ギャラリー江にて第五回陶芸展
倉敷市・中央画廊にて第五回陶芸展
2006年岡山市・天満屋本店美術画廊にて陶芸展
日本ユーモア陶彫展マケット展入選
川西阪急にて第十一回陶芸展
朝日陶芸展入選
大阪市・阪急百貨店うめだ本店美術画廊にて第一回陶芸展
京都大学化学研究所創立八十周年鑑念歴史展示に備前水指が展示される
東京銀座・ギャラリー江にて第六回陶芸展
倉敷市・中央画廊にて第六回陶芸展
2007年織部の心作陶展 TOKI織部金賞
川西阪急にて第十二回陶芸展
東京銀座・ギャラリー江にて第七回陶芸展
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 ある年、本田技術研究所の開発部デザイン課は、数年ぶりに一人を採用した。なぜか、その難関を突破した早稲田大学理工学部卒の若者は、わずかな期間で辞めている。聞けば、故里備前で陶工をしているという。

 工場製の工芸品から逃げ、心地よさを創出する手造りを選んだのが、若かった松本頼明さんであった。四十年ぶりという炎威の年に、私は備前の里に心の涼を求めた。知友に会いたくなったからである。

 備前焼は、土そのものの味わいを尊ぶ無釉の焼もので、平安の昔から千年の歴史をもつ。頼明さんの作品は、その伝統的技法に大学で学んだ理法を加え、独創的な造形の作風を目指す高い志が息づいている。自ら買った苦労と辛抱で培わされた感性が、きびしさと温かさ、しなやかさと固さ、美しさと重厚さを生みだしているではないか。

 工房と窯も観た。まもなく窯たきが始まるという。窯詰をまつ素朴で土味のいい二千個の素地と、見事に積み上げられた割り木に本物を感じた。頼明さんの周到な心組みが、声をあげないささやきとなって聞こえてくる。

 仕事は祈りである。自ら最善を尽くして神仏に祈れと古人は教えた。桂花園三代の願いをこめた、心をゆすぶらずにおかない炎の舞が、頼明さんの備前焼である。

 私達は、ひたすら天の贈物を待つだけである。

  • かわしま ひろもり
  • 川島 廣守
  • 日本プロ野球組織コミッショナー
  • 本田財団理事長