単語には 必ず場面が付いている。
同じ単語でも 場面で意味が変わる。場面が違うと 単語の意味する範囲も変わってくる。
これに文化の違いも加わわると 単語の深さが 言葉の面白さになる。
単語を場面で身に付けると 単語を使うときの自信が違ってくる。
- 出会いと別れの good morninggood morning は最初に習う英語表現だ。よく耳にするし 日本語にもなっている。親しみのある語彙だから ネイティブ音声でも よく聞き分けられる。ところが ごくごくたまに さよならの時に使われる。日本語だと「ごきげんよう」みたいな言葉づかいなのだ。video 1よく見かける good morning のシーン。good morning には good morning で応じている。video 2good morning に続けてその人の名前や敬称を言う(good morning, mother など)と respectable(きちんとしている)と受け止めてもらえる。video 3「ごきげんよろしく」「よい朝を」と言う感じの別れの挨拶 good morning。スキットの先頭から鑑賞(play ボタン長押しからのメニューで「先頭から」)すると 会話の最後の別れの挨拶だと分かる。検索語のヒント>good morning
- 出会いと別れの good evening暗くなり始めてからの挨拶の定番が good evening。出会いだけでなく 別れの時にもよく使われている。good evening で検索して 確かめて見ると おもしろい発見もある。video 1北軍に攻め込まれる寸前のアトランタから スカーレットを避難させにやってきたレット。夜はもう更けている。video 2宿で同宿した一行が 帰国中のリチャード王だとさとり 一計を案じて退散する時のあいさつ。good evening が文の中に埋め込まれている。王は good night で応じている。司教はこれからまだ一仕事の気持ちがあるから good night ではなく good evening と言葉を選んでしまったのだろうかと勘ぐってしまう。video 3まだ外が明るいうちからの good evening。あわてて退散するときの 捨て台詞になっている。明るいうちに good evening と言われたら 「歓迎しない さよなら 出て行け」の気持ちだと思うのがいいようだ。検索語のヒント>good evening
- yes と no に見る文化の違い日常的な言葉ほど 文化の違いが際立ってくるのだろうか。数字の数え方と yes/no の返事の仕方は 理屈ではわかっても なかなかなじめない。場数を踏む(多くの場面に遭遇する)ことが 最大の解決策のようだ。video 1ふとした縁で貴族の後妻におさまった女性は 多くの従者と親戚筋に囲まれて 息苦しい生活を送っている。そんな妻を気遣って 新婚当時のフィルムを上映する夫。
妻: Wasn't it wonderful, darling? / 楽しくなかった?
Can't we go back there someday? / 戻れないわねぇ?
夫:Yes , (we can ) of course, of course. /いや 戻れる
直訳では味気ないが・・・日本語の「はい」は相手の意見や質問に同意する意味を持つが 英語の yes は 相手の提示した文に対して 肯定文を選択したことを伝えているに過ぎない。相手の意図への返答ではなく 文形式の選択である。だから yes を訳すと「はい」にも「いいえ」にもなってしまう。言葉の意味を決めるのは 英語では文法 grammar だ。日本語では文脈 context が決める。
Wasn't it wonderful, darling? は「楽しかった」と言う気持ちを夫と共有しようとしている表現。日本語でも否定形で表現する「楽しかったじゃない!?」と言う感じ。Can't we go back there someday? も「戻りたい」と言う気持ちの表現。video 2 一連の会話で一方が yes 他方が no と言う場面。
JOE: Now, listen! / 聞くんだ
GIOVANNI: Yes, Mr. Joe. / はい ジョー
JOE: ・・・ / (銃を持て )
GIOVANNI: A gun? / 銃?
No ! / だめだ
JOE:Yes , a gun.../ いいから 銃だ・・・
ジョーが何と言ったのか聞こえないが おそらく「銃を準備しろ」と言うことだろう。驚いた男は「銃は持たない no 」と言う。ジョーは「銃を持つ yes 」と強く言い返した。video 3魔女の魔法で眠り込んでしまった仲間たち。魔法が効かない案山子が 途方にくれていると 何やら白い物が・・・It's snowing. / 雪だNo, it isn't (snowing)! /いや 違うYes, it is (snowing)! /いや そうだ
自問自答している。英語の yes/no は直前の文 It's snowing. を肯定するときは yes 否定するときは no を使うことがよくわかる。これに対して日本語の はい/いいえ は直前の意見や考えに対する肯定/否定を表している。yes の後に否定形が来ることもある。次のヒントで検索するといくつかヒットする。検索語のヒント>yes ~,5 (not|~n't)- (not|~n't) は 否定形が 短縮された場合もヒットさせるため。
- ~,5 は yes と (not|~n't) の間に含まれる単語数を 最大で5単語にするため。
- sit up とは どんな動作?sit は 「座る、腰掛ける、着席する」と固く信じて疑わなかった頃に sit up と言う表現は 不思議だった。video 1sit down は 分かりやすい動作。video 2sit を日本語で考えている限り sit up は遠のいていく。百聞は一見にしかず。video 3アンが相手に sit down と言うと 逆に sit up と言返された。この会話からは 二人の体勢が見えてくるはず。検索語のヒント>sit (up|down)
- sit up と sit down の両方を一度に検索したいので 共通している sit は()の外に出しておく。
- sit up|sit down でもよい。